新潟)水球ブルボンKZ、日本選手権準優勝
三沢敦
2014年10月28日03時00分
10~12日に東京辰巳国際水泳場であった水球の日本選手権で、柏崎市を拠点に活動する社会人チーム「ブルボンウオーターポロクラブ柏崎」(ブルボンKZ)が準優勝した。2年ぶりの頂点を目指して健闘したが、全日体大の壁に阻まれた。
14日夕。ブルボンKZの選手たちが柏崎市役所を訪れた。
「本当は優勝の報告をしたかったんですが、こんな結果になってしまって……」
チームを代表し、青柳勧選手(新潟産業大教員)が会田洋市長らに準優勝を報告。ほかの選手らも「次こそは頑張ります」と口をそろえた。
ブルボンKZは、欧州のリーグや日本代表で活躍した青柳選手が中心となり、地元の菓子メーカー、ブルボンの支援を受けて2010年に誕生した。その年の日本選手権で3位に躍進し、12年には全日体大の10連覇を阻止して初優勝した。
地元で初めて開催された昨年の日本選手権は3位に甘んじたが、今年は2人のセルビア人選手が加入。「過去5年間で最強のメンバーだった」と青柳選手は言う。それでも「日本一」を奪還できなかった。
新潟産大を運営する学校法人柏専学院の広川俊男理事長は「この四十数年間、日本の水球は全日体大の天下が続いてきた。まれに他のチームが優勝してもすぐ巻き返してくる」と話す。
広川さんは09年、筑波大の後輩でもある青柳選手を新潟産大の助手兼水球部監督に誘い、ブルボンKZの立ち上げにも奔走した。以来、ブルボンKZは「打倒・全日体大」を目標に練習を重ね、1度はその願いをかなえて頂点に立った。
だが、ブルボンKZが着実に力を付ける一方で、全日体大も年々、レベルアップしているという。
「5年前よりも今の全日体大の方がはるかに強い。こちらが努力してきたことも翌年には対策ができている」と広川さん。ブルボンKZのセルジオ・ランツァ監督も「全日体大に比べ、経験や実績が足りない。日本一への道のりは長いと感じた」と、決勝戦を振り返った。
韓国・仁川で開かれたアジア大会で準優勝した日本代表メンバー13人のうち、9人が全日体大、残り4人がブルボンKZだ。2年後のリオデジャネイロ五輪、6年後の東京五輪での躍進には、互いのレベルアップが欠かせない。
代表メンバーの1人、筈井翔太選手は、柏崎に来て5年になる。最近、水球をする子供たちが増え、保護者から「頑張って」と声をかけられることが多い。「盛り上がってきたな、とひしひしと感じる。さらに盛り上げていくためにも、次こそは僕たちが優勝する姿を見せたい」(三沢敦)
※朝日新聞DIGITALより