３２年ぶりに五輪に出場する水球男子「ポセイドン・ジャパン」が７日、歌手の吉川晃司（５０）から激励を受けた。横浜市内で行っている合宿を公開し、世界ランク６位でリオデジャネイロ五輪でも対戦するオーストラリアとの練習試合で６―７と健闘。五輪出場国も参加するワールドリーグ（１０日開幕・横浜）に弾みをつけた。

　大先輩の前でポセイドンたちが躍動した。高校時代にジュニア日本代表に選ばれた実績を持つ吉川が見守る中、試合開始早々に３点を連取。残り７秒で決勝点を決められ惜敗したが、相手との距離を詰めてパスコースをふさぐ「パスライン・ディフェンス」でオーストラリアを苦しめた。

　シュートが外れると悔しがっていた吉川からは試合後、テレビ番組の収録で激励を受けた。志水主将は「ずっと前から水球を宣伝していると言ってくださって、うれしい。憧れの方と距離が縮まった気がした」と笑顔。大本洋嗣監督（４８）はプレゼントされたＣＤを大事そうに抱えた。

　４月２４日から今月３日までグアムで泳ぎ込んだ成果がさっそく出た。通常は１日３０００～４０００メートルのところ、初日から１万メートルを泳ぎ込むハードな内容。選手が指導陣の顔色をうかがうような様子に、大本監督は雷を落とした。「泳いだだけで満足するな。期待も責任も背負ってる。背負えないなら帰れ！」。選手たちはゲキに応え、基礎練習を繰り返し合計約４万メートルを泳ぎ切った。志賀は「第４ピリオドまでパワーが持った」と手応えを感じている。

　１０日には６か国で争うワールドリーグが開幕する。３２年ぶり８回目の出場となる五輪で対戦するブラジル、オーストラリアとも顔を合わせる。「うまいチームのパスは簡単にはカットできない。さらに前へ出て、シュートを打たせてカウンターを狙うくらいの気持ちでやりたい」と大本監督。前がかりの戦いで、上位進出を目指す。（大和田　佳世）