※日本経済新聞 https://www.nikkei.com/
盛岡の魅力発信 大型スポーツイベント相次ぐ 市、選手ら再訪に期待
- 2018/6/2付
6月、盛岡市で世界レベルのスポーツイベントが相次ぐ。4日から水球女子のカナダ代表と日本代表が合同合宿を実施。2020年東京五輪・パラリンピックで正式種目となるスポーツクライミングの国内初の複合種目全国大会も開かれる。市はスポーツを通じた交流人口拡大を掲げており、「選手や観客に盛岡の魅力を伝えたい」と意気込んでいる。
水球の合同合宿は4~12日の9日間。カナダ代表は25人、日本代表は23人が訪れる。盛岡市は東京五輪・パラリンピックでカナダのホストタウンになっている。カナダ側から「よりよい合宿にしたい」と要望があり、市が日本水泳連盟と調整して合同合宿が実現した。
合宿期間中、カナダ代表は茶道や生け花に親しみ、歓迎レセプションなどで市民と交流する。日本代表とともに小中高生約50人への指導や公開練習も予定、10日には市立総合プールで親善試合を実施する。約1000席で観戦は無料。市の担当者は「カナダは強豪国。世界トップレベルの試合をぜひ観戦してほしい」と話す。
一方、男子チームの合同合宿は7月末からで、8月5日に親善試合が予定されている。
6月23、24日に行われるのは「スポーツクライミング第1回コンバインドジャパンカップ盛岡2018」。
盛岡市が岩手県、県山岳協会と連携して開催を働き掛けた大会で、世界トップクラスにある五輪強化選手ら男女各30人が参加する。
スポーツクライミングは壁に取り付けた突起物に手足を掛けて登る競技。壁に設定された複数の課題(コース)に挑む「ボルダリング」、到達できた高さを争う「リード」、登る速さを競う「スピード」がある。
東京五輪で正式種目となるのは3種の複合(コンバインド)で、複合の大会は国内初。会場は市内の県営運動公園と近くの体育館で、無料で観戦できる。
市はイベントを通じて宿泊や食事、輸送体制など、受け入れ体制を確認し、さらなる国際大会や東京五輪・パラリンピックの事前キャンプなどの誘致に生かす考え。担当者は「選手や観客らにもう一度来てみたいと思ってもらえるよう、おもてなしに万全を期したい」と話している。